法人破産

東京都墨田区錦糸町の法人破産ではどんな手続方法を選択すべき?

東京都墨田区錦糸町の法人破産ではどんな手続方法を選択すべき?

東京都墨田区は、東京都の東側に位置する23区の一つです。

この記事では、墨田区で事業を行っている方向けに、法人整理の手続について解説いたします。

1.墨田区について

(1) 錦糸町

墨田区は東京の下町として知られていますが、近年は東京スカイツリーがオープンするなど、新たな経済の動きが起こりつつあります。

墨田区の経済の中心にあるのが、JR総武線、東京メトロ半蔵門線が乗り入れる錦糸町駅です。墨田区に錦糸町という地名はありませんが、錦糸町駅周辺は一般的に錦糸町と呼ばれています。

錦糸町はJR錦糸町駅によって南北に分断されており、南側と北側では雰囲気を異にしています。古くからの繁華街である南口は「丸井」や、スーパー「西友」を擁する「LIVIN」、ヨドバシカメラなど多くの大規模な小売業が営業を行っており、パチンコ店や飲食店が立ち並ぶやや猥雑な雰囲気の地域です。

一方、近年再開発が進んだ北口は「東武ホテルレバント東京」新日本フィルハーモニー交響楽団のホームであるコンサートホール「すみだトリフォニーホール」、ショッピングセンターの「アルカキット錦糸町」などが並んでいます。

(2) 墨田区の産業

墨田区内は全産業のうち製造業の占める割合が多く、「ものつくり」の街として知られています。中でも従業員数が9人以下の企業が8割を超えており、日常関連用品などを供給する小規模な製造業者が大部分を占めています。

主な産業は機械金属加工、機械器具製造業、プラスチック、ゴム製品製造業、印刷・紙加工製造業、なめし革、皮革関連などで、両国地区は国内有数の繊維製品の産地となっており、ニット(カットソー、横編み)、シャツ、布帛関連の縫製業、染色業等の繊維関連の製造業などが製造されています。

2. 倒産とは

さて、そのような事業を行っていても、資金繰りが立ち回らなくなり、会社の整理を検討せざるを得ないことがあります。続いて、墨田区で事業を行っている方向けに法人の整理の手続についてご説明します。

個人と同じように、法人も破産や再生の手続をとることができます。法人の整理の手続には破産、民事再生、任意整理などがあり、これらの手続を総称して「倒産」といいます。

企業の経営者様の中には、「倒産」というと「何もかも失ってしまう」「人生の終わり」といったイメージを持たれている方がいらっしゃるかもしれません。

たしかに、代表者が会社の連帯保証人となっている場合などに法人破産の手続をとると、代表者個人も破産手続を行わなければいけませんので、家や車などの財産を取り上げられてしまうことがあります。

しかし、会社の倒産手続は破産だけに限られるものではなく、民事再生など事業の継続を目指すための手続もあります。やむを得ず破産することになったとしても、借金から解放され、新たな人生を歩むことができます。

3.法的整理と私的整理

会社が倒産するための手続には、大きく分けて法的整理と私的整理の2種類があります。

(1) 法的整理

法的整理とは、裁判所を通じて会社を清算・再生するための手続を行うことをいいます。代表的なものは破産と民事再生です。

破産は破産法、民事再生は民事再生法という法律にそれぞれ手続が定められており、裁判所の管理・監督のもとで手続を行っていくため、法的整理と呼ばれています。

(2) 私的整理

法的整理に対して、裁判所を通さずに債権者との任意の交渉によって法人の整理をすることを私的整理といい、任意整理がこれに当たります。

「私的整理」といっても法律の規制を受けないわけではなく、民法や会社法にのっとって手続を進めていく必要がありますし、債権者との合意が成立しないまま放置すれば、債権者が法的手続をとって財産の差し押さえを受ける可能性があります。

したがって、法的整理の場合であっても私的整理の場合であっても、法律の専門家である弁護士に手続を依頼することが不可欠です。

4.法的整理と私的整理のメリット・デメリット

では、法的整理と私的整理のどちらを選択するべきなのでしょうか。

法的整理と私的整理のそれぞれのメリットとデメリットについてご説明します。

(1) 法的整理のメリット

法的整理のメリットは、法律で定められた明確なルールに基づき、裁判所を通して手続が行われるため、透明性が確保されており、不正が入り込む余地が少ない点です。

会社が倒産するとき、少しでも多くの売掛金を回収したい債権者は「本当に適正に手続が行われているのだろうか」「一部の債権者だけ有利に扱われているのではないだろうか」といった疑いを抱きがちです。

裁判所を通して手続が行われれば、手続の進行状況や会社の資金状態が法律に基づいて債権者に開示されるため、全ての債権者に公平に手続が行われていると納得してもらうことができます。

(2) 法的整理のデメリット

一方、法的整理にはデメリットもあります。

まず、破産法や民事再生法では手続が厳密に定められており、それにのっとって進めていく必要があるため、硬直的にならざるを得ず、どうしても時間と手間がかかります。

また、倒産企業というレッテルを貼られ、事業価値が毀損するおそれもあります。

これらの点は透明性と公平性が担保されていることの裏返しと言ってもよいでしょう。

(3) 私的整理のメリット

続いて、私的整理のメリットについてご説明します。

私的整理は、裁判所に拘束されることなく、各債権者と個別に交渉を進めることができます。したがって、交渉によって円滑に合意を得ることができれば、会社の整理や再生に向けた手続を柔軟かつ迅速に進めることができます。

また、法的整理のように破産法、民事再生法などの規制を受けないため、倒産する企業の事業規模や実態に合わせて手続を柔軟に変更したり、一部の手続を簡略化したりすることができます。

(4) 私的整理のデメリット

私的整理のデメリットは、あくまで任意での交渉による合意を目指す手続であるため、法的整理のように債権者を拘束できない点です。

手続が本当に適正に行われているか、あるいは一部の債権者が有利に扱われていないか不審に思った債権者が手続に協力してくれない場合には、その債権者を法律によって拘束することができません。

5.どちらを選ぶべきか

では、清算をするべきか再生を目指すべきか、そして法的整理を選ぶべきか私的整理を選ぶべきかは、どのようにして決めればよいのでしょうか。

どの手続がふさわしいかは、会社に残された資産、負債の総額、債権者の数、債権者と会社の関係性、会社の規模、会社が置かれている状況、そして経営者の意思などによって異なります。

まずは弁護士とご相談いただき、それぞれの手続について説明を受けたうえでどの手続を選ぶのがよいのか判断することをお勧めいたします。

6. 倒産を検討するときはなるべく早く弁護士に相談する

会社の倒産についてアドバイスを行い、手続を代理で行うことができるのが弁護士です。

しかし、弁護士にご依頼いただくためにも費用がかかります。仮に破産手続をとるとしても、裁判所に支払う予納金や会社の残務を処理するための費用などが必要となります。

完全に資金繰りがショートしてから倒産手続を検討するのではなく、これらのお金を支払う余裕があるうちに専門家である弁護士に相談することが重要なのです。

一番よくないのは、事業に行き詰まり、会社経営を続けていくことが困難なことが明らかであるにもかかわらず、誰にも相談せずにそれを放置することです。

時間が経てば経つほど選択肢は少なくなっていきます。まずはできるだけ早い段階で弁護士に相談することをお勧めいたします。

墨田区、台東区、葛飾区、総武線・中央線・半蔵門線沿線にお住まい、お勤めの方で、法人破産(会社破産)を考えている方は、どうぞお早めに泉総合法律事務所にご相談ください。

7.墨田区で倒産をするときの管轄裁判所

破産や民事再生などの法的整理を行うときは、裁判所に申立てを行います。

裁判所には最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の5種類がありますが、破産や民事再生事件は、会社の主たる営業所(通常は登記簿上の本店所在地)を管轄する地方裁判所に申立てを行うこととされています。

したがって、墨田区に主たる営業所がある会社の場合は東京地方裁判所に申立てを行います。

最後に、東京地方裁判所の所在地や連絡先をご案内します。

東京地方裁判所
〒100-8920 東京都千代田区霞が関1-1-4
(地下鉄東京メトロ丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」A1出口から徒歩1分、地下鉄東京メトロ有楽町線「桜田門駅」5番出口から徒歩約3分)
電話番号:03-3581-5411(代表)

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