債務整理

自宅・マイホームを残したい!個人再生と住宅ローンについて

自宅・マイホームを残したい!個人再生と住宅ローンについて

借金をどうしても払えないときは、債務整理することで借金を合法的に整理することができます。

しかし、住宅ローンを支払っている場合、その持ち家はどうなるのでしょうか?

ここでは、個人再生と住宅ローンについて詳しく解説します。

1.個人再生ならローンが残っていても家を残せる?

個人再生の最大のメリットは家を残せること

借金の支払いがどうしてもできなくなったときは、債務整理をすれば借金を減額または全額免責してもらうことができます。

債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあり、任意整理、個人再生をした場合は借金減額、自己破産をした場合は全額免除を受けることが可能です。

今回のテーマとなっている個人再生の特徴は、借金を大幅に減額できること、住宅ローンを除いて手続きできることにあります。

個人再生の制度ができたのは2001年。企業の民事再生法を改正してできた比較的新しい救済制度で、住宅ローンを抱えている人を救済するために作られました。

個人再生には住宅資金特別条項があり、この制度により借金を減額しつつ持ち家を残すことが可能となったのです。

2.住宅資金特別条項とは

自宅を手放さないまま住宅ローン以外の借金を減額する制度

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)は個人再生だけに設けられている条項で、この制度により住宅ローンは残して、その他の借金だけを減額対象とすることができるようになりました。これにより、自宅を手放さず経済的再生を図ることが可能となったのです。

もちろん、自宅にそのまま住み続けるので、住宅ローンは減額されず、個人再生後も引き続き支払わなければなりません。

しかし、他の借金が減額されることで、その後は余裕を持って住宅ローンを払っていくことができます。

(1)  住宅ローンを除外できる理由

個人再生には「債権者平等の原則」があり、全ての債権者は平等に扱われるべきとされています。そのため、ある債権者だけ返済して、別の債権者には支払いをしないということは禁じられており、不平等が発覚した場合、個人再生は認められません。

なぜなら、債権者であるA社には全額返済されたのに、同じく債権者であるB社は負債の減額に応じなければならないとしたら、 B社だけが一方的に損をすることになるからです。

個人再生では、基本的にこうした債権者間の不公平をなくすべきであると考えられています。

しかし、住宅ローンについては「抵当権」がついていることから、個人再生の対象から特別に除外できることになっています。

①住宅ローンの抵当権

住宅ローンには、大抵の場合、銀行や保証会社の抵当権がついています。

抵当権がつくと、住宅ローンを支払っている期間は住宅の所有権を銀行や保証会社が持つことになり、借主がローンを払えなくなった場合には住宅を売却し、そのお金で債権を回収することができます。

民事再生や自己破産に関わりなく支払いを求めることができる権利を「別除権」と言いますが、抵当権は別除権に当たるので、銀行や保証会社は個人再生に関わらずいつでも権利を行使することができます。

住宅ローンには抵当権がついているので、個人再生をしてもどの道、銀行や保証会社が住宅を競売にかけて債権を回収します。住宅の売却価格がローンの残高を上回った場合は、その分は他の債権者の配当に回されますが、仮にローン残高を下回った場合、配当は行われません。

よって、個人再生の対象に住宅ローンを入れなくても、他の債権者には影響がないので、債権者平等の原則には反しないと考えられています。

ちなみに、抵当権の設定がされていない住宅のローンについては、住宅資金特別条項の適用の対象外となっているので注意が必要です。

②住宅ローンの支払には不当性がない

住宅ローンの支払いは、賃貸における家賃の支払いに近いものがあります。

基本的に住宅の賃料については、最低限生活を維持するのに必要な出費なものであり、借金ではないので偏頗弁済には当たりません。それと同じ理屈で、住宅ローンの返済についても、家賃と同等とみなせば不当性はないと考えられています。

さらに、個人再生には清算価値保証の原則があり、資産が多いほど債権者への配当は多くなります。

住宅ローンの支払いをすれば、それだけ住宅の資産価値は上がるので、財産の清算価値も高くなり、そのことは債権者のメリットにつながります。その点でも、住宅ローンの支払いをすることに不当性はありません。

もっとも、住宅資金特別条項を設けている最大の理由は、債務者が自宅を失うことなく経済的再生を図ることにありますが、理論的には上記の理由があり、個人再生をする上での権利として認められています。

3.住宅資金特別条項のメリット

住宅資金特別条項は、個人再生から住宅ローンを除くこと以外にも以下のメリットがあります。

(1) 抵当権の行使による競売が開始しても中止できる

保証会社の代位弁済から6ヶ月以内であれば、住宅資金特別条項を利用することで、抵当権の行使による住宅の競売が始まっていたとしても、申立により中止することができます。(既に落札されて所有権が他人に移った場合は除く)

(2) 延滞した元金と遅延損害金は再生計画に含めて3年間で返済できる

住宅ローンの支払いが滞ると、通常は期限の利益を失うので残債を一括返済しなければなりませんが、住宅資金特別条項を利用すれば、住宅ローンの延滞分を再生計画の中に含めることができます。

延滞分については原則3年で完済を目指し、延滞していない分についてはこれまで通り支払うことで、住宅を競売にかけることを防ぐことができます。

(3) 返済期間は最大で10年延長できる

住宅ローンの支払いは再生計画中もこれまで通り行わなければなりません。しかし、その間は再生計画の支払いもしなければならないので、返済の負担は決して軽くありません。

それにより再生計画の履行が難しくなる場合は、住宅ローンの返済を最大10年延長することが可能です。この措置により毎月の返済額を抑えることができるので、再生計画も無理なく履行できるようになります。

ただし、70歳までに完済をしなければなりません。

(4) 再生計画の期間中は元本と利息の一部を返済猶予してもらえる

返済期間の延長をもってしても、再生計画中の住宅ローンの返済が難しい場合は、期間中は元本と利息の一部については返済を猶予してもらえます。

また、債権者が同意すれば、上記以外の特則を取り決めることも可能です。

4.住宅資金特別条項を使うための要件

次に、住宅資金特別条項を使うための要件を解説します。

①住宅の建設・購入代金のローンやリフォームローンであること

住宅資金特別条項を適用できるのは、住宅の建設・購入代金のためのローンや、リフォームローンであることが条件です。その他のローンについては適用されません。

②住宅資金特別条項を使える「住宅」であること

住宅資金特別条項を使えるのは、本人が居住用に使用している住宅1棟のみです。会社のビル、別荘、不動産投資用のマンションなどのローンは対象になりません。

本人所有であっても、実際に住んでいない場合は対象とはなりません。

③住宅に住宅ローン以外の債務を担保する抵当権がついていないこと

住宅ローンを貸している銀行や保証会社によって、住宅に抵当権がついている場合は、問題なく住宅特別条項を利用することができます。

しかし、住宅に住宅ローン以外の債務を担保する抵当権がついている場合は利用できません。

消費者金融では事業目的のための不動産担保ローンを展開しており、住宅(不動産)の抵当権をとって融資を行っています。

このサービスは根抵当権といって、不動産を担保にとることで、一定額までの融資を何度も行えるようにしており、その都度抵当権を設定する手間を省くことができます。

こうした不動産担保型のローンによる根抵当権がついている住宅については、基本的に住宅資金特別条項を利用することはできませんが、住宅ローン以外の負債を完済すれば利用することができます。

ただし、個人再生をすることを決めたあとに、特則を利用するために特定の債権者に返済をすると、偏頗弁済に当たると判断される可能性もあり、最悪の場合は再生計画が認められないこともあります。

その点には十分注意が必要で、事前に弁護士に相談をする必要があるでしょう。

④保証会社の代位弁済から6か月以上経過していないこと

住宅ローンを3~6ヶ月ほど滞納すると、保証会社から代位弁済がなされますが、その代位弁済から6ヶ月以内に個人再生をした場合は、住宅資金特別条項を利用することができます。

条項が適用されれば、住宅ローンの代位弁済はなかったことにできるので、住宅ローンの巻き戻しにより以前通りに支払をしていくことが可能となります。

しかし、代位弁済から6ヶ月以上経過してしまうと、法律により住宅ローンの巻き戻しはできなくなるので注意が必要です。

5.アンダーローンの時の注意点

アンダーローンの場合は弁済額が高くなる可能性大

住宅資金特別条項のときはアンダーローンについては注意が必要です。

アンダーローンとは、住宅ローンの残債よりも住宅の時価評価額の方が高くなる状態を指します。
アンダーローンの場合でも住宅資金特別条項を利用することはできますが、評価額によっては条項のメリットがなくなる可能性があるのです。

例えば住宅ローンの残債が1200万円で、住宅の時価評価額が1600万円だった場合、差額の400万円は資産扱いになるので、清算価値保証の原則により最低400万円以上の返済をしなければなりません。

仮に借金が400万円ある人が個人再生をする場合、住宅ローンがアンダーローンの状態でなく、他に特に資産もない場合の最低弁済額は100万円です。
しかし、アンダーローンによって400万円の資産があるということになると、結局400万円を返済に充てなければなりません。

その場合、個人再生をすることには何の意味もなくなるので、時価評価額の高い住宅を持っている場合は必ずしも有利となるとは限りません。

この場合、住宅を残しつつ借金を減額するには、任意整理を選ぶことになります。

また、個人再生の最大のメリットである住宅資金特別条項を使わない場合は、自己破産をした方がメリットは大きい場合もあるでしょう。

自己破産をすれば、借金は全て免除されます。その代わりに住宅や車など20万円以上の資産は没収、換価されますが、個人再生で住宅ローン条項を利用できず家を手放すのであれば、個人再生のメリットは薄れるので、自己破産をすることも選択肢に入れましょう。

6.自宅を維持して債務整理をするなら個人再生

住宅資金特別条項を利用すれば、住宅ローンを除いて個人再生の手続きをすることができます。そうすることで自宅を手放すことなく、負債を整理して、経済的な再建を図ることが可能となります。

住宅ローンを抱えている人にとってはまたとない制度なので、自宅を守りつつ債務整理をするときは個人再生を選択することをおすすめします。

泉総合法律事務所は、個人再生の解決事例も豊富にございます。借金問題でお困りの方はどうぞ一度ご相談ください。債務整理のご相談は何度でも無料です。

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