東京都墨田区・錦糸町で交通事故被害者に…まず取るべき行動とは?
墨田区は、東京都の東部にある区で、23区の一つです。2012年には墨田区押上1丁目で東京スカイツリーが開業しました。
墨田区の中心にあるのが、JR総武線、東京メトロ半蔵門線が乗り入れる錦糸町駅です。錦糸町はビジネス街、繁華街として栄え、江東区亀戸周辺と共に錦糸町・亀戸副都心を形成しています。
この記事では、墨田区の交通事故事情について解説します。
このコラムの目次
1.墨田区内の交通事故事情
墨田区を管轄する警察署は、向島警察署と本所警察署の2つです。
墨田区の北部を管轄する向島警察署の管轄内では、2016年に214件、2017年にも2014件の交通事故が発生しました。2018年は1月から9月までの間に148件の交通事故が発生しています。
墨田区の南部を管轄する本所警察署の管轄内では、2016年に322件、2017年に340件の交通事故が発生しました。2018年は1月から9月までの間に166件の交通事故が発生しています。
このように、墨田区内の交通事故発生件数は2016年から2017年にかけては横ばいかやや増加の傾向にありましたが、2018年には昨年よりも少ないペースで推移しています。
2.もし交通事故にあったら
(1) 相手方保険会社に賠償請求できる
交通事故は誰でも被害者になり得るものです。万が一交通事故の被害にあってしまったときには、治療のためにかかった費用や事故によって受けた苦痛に対する慰謝料を加害者側に請求することができます。
請求を行う相手方は加害者のドライバーの本人ではなく、相手方が加入している任意保険会社です。
以下では、事故にあってから相手方の保険会社に保険金を請求するまでの流れを簡単にご説明します。
(2) けが人の救護と警察への届出
事故が発生した時に最初にしなければならないことは、けが人の救護と警察への届出です。この2つは道路交通法で運転者の義務として定められています。
けが人がいるにもかかわらず現場を去ると保護責任者遺棄罪などの犯罪に該当することがありますし、警察への届出を怠ると現場検証が行われないため保険金を請求するときに必要な事故証明書を発行してもらえないことがあります。
交通事故の管轄となる警察署は事故現場の住所地を管轄する警察署ですが、携帯電話から110番に電話をすれば原則として通報地点の携帯電話の基地局を管轄する警察本部の通信指令室に繋がりますので、わざわざ管轄となる警察署を調べる必要はありません。
(3) 現場検証
警察に連絡してから、通常は10分程度で現場に警察官が到着します。警察官が当事者に事故の状況などを聴取する現場検証が行われますので、自分が認識している事故状況を正確に伝えてください。
ここで警察官に対して供述した内容は事故状況を示す客観的な証拠となり、過失割合に影響します。
また、事故後の交渉は全て保険会社が窓口となって行われますので、名前、電話番号、加入している任意保険会社、車の登録番号(ナンバー)などをメモに取っておきましょう。
(4) 保険会社への連絡
自分が加入している保険会社に連絡をして、事故の報告を行ってください。
保険会社に連絡すると、相手方のけが人の有無、事故状況、相手方の氏名、連絡先などを尋ねられますので、あらかじめメモを用意して連絡するとよいでしょう。
3.治療費の支払い
交通事故の被害にあってけがを負ったときに不安になることの一つは、治療費の問題でしょう。
事故後のけがの治療の費用は、基本的に相手方の保険会社が立替えてくれますので、被害者本人が支払う必要はありません。
ところが、いつまでも立替えを受けられるわけではありません。一定の期間にわたって治療を続けていると相手方の保険会社から連絡があり、症状が固定したとして治療の中止を迫られます。症状の固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないということを意味します。
同時に、保険会社から示談金の提示が行われます。症状が固定している以上、その時点で発生した損害分を示談金として支払えば足りるというのが保険会社の主張です。
保険会社から示談金の提示を受けたとき、よく検討せずに応じてしまう方が少なくありません。しかし、これには大きな問題があります。
なぜなら、保険会社が提示してくる賠償金は、交通事故の被害者が本来受け取ることができる金額よりも大幅に少ない基準により算出された金額だからです。この点についてより詳しくご説明します。
4.慰謝料の算定方法
(1) 交通事故慰謝料の種類
交通事故の慰謝料には、「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類があります。
後遺障害慰謝料とは、治療が終了したにもかかわらず事故による症状が残ってしまった場合、すなわち後遺症が残った場合に、それが後遺障害として認定されたときに支払われるものです。
入通院慰謝料とは、その名のとおり入通院を強いられたことによって生じた精神的な損害を補償するものです。
(2) 3つの基準
入通院慰謝料を算定するための基準は3つあると言われています。
もっとも少ないのは「自賠責の基準」と呼ばれるものです。自賠責とは「自動車賠償責任保険」のことで、交通事故の被害者に対して最小限の補償をすることを目的とした自動車損害賠償保障法に基づいて計算されます。
「任意保険の基準」とは、各保険会社が社内で独自に定めている基準です。任意保険の基準は公にされているものではありませんが、自賠責の基準よりは高く、次に説明する「裁判基準」よりも低いといわれています。
交通事故のプロである保険会社が定めた基準なら、正当な金額なのではないか、と思われるかもしれません。しかし、保険会社は営利組織ですので、交通事故の被害者に支払う示談金の金額をできるだけ低く抑えたいと考えています。
したがって、本来被害者が受け取るべき金額とはかけ離れているのが現実です。
もっとも高額な基準が「裁判基準」です。裁判基準とは、過去に交通事故被害者と保険会社との間で行われた裁判の蓄積によって形成された基準です。
裁判基準は、日弁連交通事故センター東京支部が出版している「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍(通称、「赤い本」)にまとめられています。
(3) 裁判基準による示談金を受け取るには
では、どうすれば裁判基準に基づいて算出された示談金を受け取ることができるのでしょうか。
残念ながら、被害者本人がどれだけ「裁判基準でないと示談しない」と言っても、保険会社を動かすことはできません。
裁判基準による示談を成立させるためには、弁護士に依頼することが不可欠なのです。
5.弁護士に依頼するメリット
交通事故の被害にあったときに弁護士に依頼すると、さまざまなメリットがあります
(1) 交渉を行ってくれる
自分に過失がない事故では、自分が加入している保険会社は代理交渉を行ってくれませんので、自分が相手方の保険会社の担当者と連絡を取り合って交渉を行わなければいけません。
しかし、交通事故に関する知識も経験も少ない一般の方にとって、示談交渉を行うのは簡単なことではありません。まして、交通事故でけがを負った被害者にとっては、保険会社との交渉は大きな負担となり、精神的に参ってしまう方も少なくありません。
弁護士に依頼すれば、保険会社との交渉は全て弁護士が窓口となって行ってくれます。
(2) 通院や治療についてアドバイスを受けられる
早めに弁護士に相談することによって、弁護士から通院のポイントについてアドバイスを受けることもできます。
適正な後遺障害認定を受けるためには、整骨院や接骨院ではなく整形外科に通院し、適切な検査を受け、症状について正確にカルテに記入してもらう必要があるからです。
交通事故被害者に協力的な医師とそうでない医師がいることもありますので、弁護士の助言により転院をした方がよいこともあります。
6.弁護士費用について
弁護士に依頼すると、多額の費用を請求されるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、交通事故事件では多くの場合は、相手方の保険会社から受け取った示談金から弁護士費用をまかなうことができます。もっとも過失割合などにもよりますので、弁護士との相談のときに回収の可能性がどれだけあるか確認しておくとよいでしょう。
また、弁護士費用特約を利用できる場合には、弁護士費用を保険会社に支払ってもらうことができます。
弁護士費用特約とは、保険契約者、保険契約者の家族、保険契約者が運転する車に同乗していた人などが、自動車に起因する事故にあった場合に、相手方に損害賠償請求を行う場合に生じる弁護士費用や、法律相談をする場合の費用を保険会社が支払ってくれるものです。
弁護士費用特約を利用できる場合は実質的に自己負担ゼロで弁護士に依頼することができますので、弁護士に依頼することによるデメリットはほとんど考えられません。
弁護士費用特約は家族が加入しているものを利用することができる場合もありますし、歩行中や自転車に乗っているときに車と衝突したときにも利用することができます。
7. 墨田区を管轄する警察署
最後に、墨田区を管轄する警察署の連絡先と管轄地域をご紹介します。
墨田区内で交通事故が発生した場合、保険会社に提出する事故証明書の取得の手続などはこれらの警察署で行います。
向島警察署
〒131-0044 東京都墨田区文花3丁目18番9号
03-3616-0110
本所警察署
〒130-0003 東京都墨田区横川4丁目8番9号
03-5637-0110
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